第9回田村明の市民論を読む(田村明読書会)
田村明「都市工学からみた過密対策」横浜市立大学都市問題講座1号横浜市立大学都市問題講座運営委員会(横浜市立大学)1968年6月発行
実施の日時と場所:(2024年9月30日(月)15:00~17:00横浜市役所1階横浜市市民協働推進センター会議室
参加者:4名
本稿には大都市政策への提言が3つ。
1つは大都市で市民の生活の最低水準の基準設定すること。
2つは都市空間の合理化は必要なことであって、土地利用に当たって高密とそうでないもののリズムをつけること。
3つはモータリゼーションの進行に対する人間の主張をすること。車両の移動条件より上位の人の移動機能をつくること。
この当時の田村さんは環境開発センターから横浜市の企画調整部長になったばかりである。
過密都市の実態と都市にまつわる政策ジャンルの構造を明らかにした上で、市民の立場からの対応すべき政策を語った。第1の提言はこの時期に各地に広がる先進自治体におけるシビルミニマムのことである。
田村さんは都市工学に当時の都市づくりを進めていた造園、土木、建築をこえた実践的な政策研究を期待してのではないか。そんな希望を感じる公開講座の講演録である。
次回は10月15日(火)15:00~17:00 会場:横浜市市民活動協働推進センター(市庁舎1F)開催。
資料は分類番号280田村明「市民とまちづくりー魅力ある地域をめざしてー」法政(学内機関誌)Vol.16(通巻399号)1989年10月号所収
本HPの田村明→著作で検索できます。ワード原稿とPDF原稿が掲載されています。
なお、第7回から本会の愛称を「田村明読書会」としました。
(檜槇貢 2024年10月2日)