第10回田村明の市民論を読む(田村明読書会)
田村明「市民とまちづくり―魅力ある地域づくりをめざして―」法政Vol.No.8 pp.2-11(法政大学)1989年10月発行
実施の日時と場所:(2024年10月15日(火)15:00~17:00横浜市役所1階横浜市市民協働推進センター会議室
参加者:3名
「官」のまちづくりから「民」のまちづくりに転換すること。それが主題の田村明の法政大学主催の講演記録を読んだ。
市民のまちづくりのことである。そこに市民参加を語らない。市民のまちづくりの「骨の部分」を自治体が支え、市民はまちづくりの「肉の部分」を創り上げることだという。人間環境重視のまちづくり。地域性と個性を大事にするまちづくり。それは漫然とできるものではなく、意識的な市民活動によるものだ。
市民のまちづくりをしないと、地域から人口が流出し、いい人間が住まないことになる。これからの社会はソフト産業の時代になるのであって、市民のまちづくりこそが求められる。1989年夏の岡山市での市民講演である。
田村明は平仮名のまちづくりを提唱した。この講演でも平仮名の意義を語っている。そして、市民は「骨の部分」の自治体と一緒になってまちづくりを進めることを期待している。これは田村明の実践からの語りであろうか。横浜市での中央省庁との対峙において、立ち位置として理論的「市民」なのではないか。
平仮名のまちづくりが、本当に田村明が創造した表現なのかとともに、田村明の市民活動との関係をあらためて検証してみる必要があるのではないか。読書会での議論されたことである。
次回は11月1日(火)14:30~16:30 会場:横浜市中区区民センター開催。
資料は田村明「中央政府と自治体間の政治手続き」年報政治学1985、日本政治学会編、共著、岩波書店。PP197-224,1986.3(この文献はNPO法人田村明記念まちづくり研究会ホームページの著作のB32としてされ収録されています)
(檜槇貢)