第11回田村明読書会

第11回田村明の市民論を読む(田村明読書会)

 

田村明「中央政府と自治体間の政治手続き」年報政治学1985日本政治学会編、共著、岩波書店pp.197-224 1986年3月発行

 

実施の日時と場所:(2024年11月1日(金)14:30~16:30 なか区民活動センター第1研修室

参加者:三名

 

市民の政府の自治体は、中央政府との関係において、政治的手続きだと認識すべきである。その理解によって、自治体と中央政府は国家間の国際関係のような対等関係に位置付けることが可能になる。

 

公害防止協定、宅地開発指導要綱、アーバンデザイン、身の丈にあった産業づくりは市民の政府の自治体だからこそ創造的に進めることができた。それが特定地域の政策にとどまらず、中央政府の政策も変えたことはかつての国と地方の関係として説明するのではなく、新たなパラダイムとして位置づけることだ。

 

田村明は政治学の世界で「成熟型民主理念」実現にふさわしい中央政府と市民の政府の関係を描いてみせている。2000年代の地方分権改革の形骸化が進むなかで、もう一度戻るべき道を教えているように思えてならない。

 

次回は11月18日(月)15:00~17:00 会場:横浜市市民活動協働推進センター(市庁舎1F)開催。

資料は田村明「とくしま自治体会議の意味―地域の自立をめざす全国的動向」田村明・三木俊治編著、公人社、1988、10(この文献はNPO法人田村明記念まちづくり研究会ホームページの著作のB39としてされ収録されています)

 

(檜槇貢)